2度の失敗を経てリベンジマッチ

【田原】森川さんはC CHANNELを大きく育てたいとおっしゃった。そこで聞きたい。将来はC CHANNELをどうするつもりですか。

【森川】C CHANNELを世界に通用するメディアにしたいと考えています。イメージは、MTV(ミュージックテレビジョン)です。MTVは昔アメリカでケーブルテレビが普及したときに誕生して、多チャンネル化とともに世界に広まりました。いまはネットの時代になって、かつてと同じような環境が整っているのに、いまだに世界で成功した日本発のメディアブランドはない。ぜひC CHANNELを、その最初の事例にしたいです。

【田原】動画は世界に出るための鍵の1つでしょうね。映像なら言葉がわからなくても伝わりますから。ほかに、世界で通用するためのポイントはありますか?

【森川】最初から海外の人にも受ける情報を出すことが大切です。たとえばこの6月から、ニューヨークやソウル、台湾に住んでいるモデルさんが参加して、現地から動画をあげてもらうことになっています。そうやって世界各地から情報を発信する通信社に近い仕組みは絶対に必要です。

【田原】なるほど。

【森川】日本のいいものをわかりやすい形で世界に届けることも重要です。たとえば同じ和食の店でも、日本人がいいと感じる部分と、外国の方が魅力を感じる部分は違います。だとすると、日本人が紹介するだけでなく、さまざまな国の人に紹介してもらったほうが新しい魅力を伝えられるかもしれません。逆に、海外の店を日本人が紹介してもいい。そういったバリエーションがデータベースとして溜まっていくと、世界はお互いに身近になる。C CHANNELが、そういうプラットフォームになれればおもしろいと思います。

【田原】森川さんが目指しているのは、世界規模のプラットフォーム?

【森川】最終的にはやっぱりメディアですね。たとえばタイム・ワーナーは新聞やテレビ、映画などを擁するコングロマリットで、アメリカ文化を世界に伝えるプラットフォームとして機能しています。ただ、何でもかんでもプラットフォーム上に乗せているわけではない。タイム・ワーナーはメディアであり、何を乗せるかは意思を持って選んでいます。C CHANNELも、10年、20年先にはそういう会社にしたいです。