将来はアフリカで農業をしたいと夢見た少女時代。大学時代は農作物の卸売会社でアルバイト。農業関連企業への就職を経て起業し、農作物の栽培のほか、ホームレスの就農支援も行う。彼女をそこまで駆り立てる農業の魅力とは?

トラクターってなんかカッコいい

【田原】小島さんは子どものころから農家になりたかったそうですね。農家に憧れる子どもは珍しいと思うんだけど、どうして?

えと菜園代表 小島希世子氏

【小島】私は熊本県合志市という農村地帯で育ちました。親は学校の先生でしたが、まわりはみんな農家。隣の家に遊びに行くと、トラクターやコンバインがあって、牛を飼ったりしていて、なんかカッコいいなと。

【田原】カッコいい?

【小島】うちには普通の乗用車しかないのに、それよりずっと大きいトラクターがあるんですよ。そういうところで遊んでいると、農家の方が「これつくったから持っていきな」と自家製の食べ物をくれたりします。そういう姿を見て、「この人たち、なんかすごい!」と憧れてました。

【田原】中学のときに柔道や空手をやっていたそうですが、どうして?

【小島】きっかけは農業です。小学校低学年のとき、アフリカの飢餓に迫る海外のドキュメンタリー番組を見て、将来はあっちの国に行って農業をしようと決めました。それまで漠然と農家への憧れはあったけど、職業として意識したのはそれが最初でした。ただ、海外は危険だという印象があって、行くなら体を鍛えたほうがいいと思った。それでまず小学生のときに剣道を、中学に上がってからは柔道と空手を始めました。中学のときは、部活で柔道をして、終わったら空手着に着替えて道場に行くという生活でした。