小さなホラはあっても「大ボラ」はすべて実現

また、学生時代には「人生50カ年計画」をつくりました。

20代で事業を興し、業界に名乗りを上げる。30代で1000億~2000億円程度の軍資金を貯める。そして、40代でひと勝負をかける。1兆円、2兆円と数える規模の大勝負です。50代ではそれまでの事業の集大成としてビジネスモデルを完成させる。さらに60代で、次の経営者にバトンタッチをする――。

20代で、日本ソフトバンクを創業し、40代でボーダフォンを約2兆円で買収した。僕は有言実行しました。

僕はいつも公言したことを自分で設定した期限内に実現してきました。実現できなかった「大ボラ」は、一度もありません。小さなホラはいくつかありますけれど、それは皆さんにゆるしてもらっています。

「自分で公言をする」ということは、自分を追い込むということです。自分で言った以上は、絶対に達成してやる。

そんな強い責任感が湧き上がり、日々の生活をその目標に向かって過ごすことができます。

年率3%成長では僕の後継者は務まらない

公言したことを実現できるように、自分の会社や組織といった「群れ」を引っ張っていく。それが真のリーダーシップだと思います。

だから不言実行のほうがやさしい。公言していなければ、できなくても何の責任もありません。公言するほうが、はるかにリスクが高いし、実現できなかった場合に格好悪い。

「大ボラ」は金額も明確に示すというのが実現性を高めるコツです。たとえば、「世界の人々に喜ばれる会社になる」という抽象論だけでは、追い込み方が足りない。理念を具体的な数字に落としたうえで、短期・中期・長期の目標を設定するべきでしょう。

人生は、あっという間に過ぎてしまいます。だから、自分をどんどん追い込まないと普通の人生で終わる。

ビジネスでいえば、年率3%成長の普通の会社で終わってしまう。年率3%の会社でいい、と思うような人は、少なくとも僕の後継者になってもらっては困ります。後継者となる人には今回の「5000社」「時価総額200兆円」以上に、世界市場を意識した壮大な大ボラを吹いてほしいのです。