赤、青、黄色……とグーグルはロゴマークからして鮮やかだが、オフィスの中はさらにどの国も、負けじとにぎやかだ。理論と合理性をどこよりも追求する会社が、なぜこんな職場をつくるのか。
六本木ヒルズ内にある東京オフィス。受付からしてカラフルでデザイン性に溢れ、なんとも楽しげだ。しかし、中はもっとすごい。床を泳ぎ回るプロジェクションの鯉、スタイリッシュなバー、壁に富士山が描かれた会議室待合スペースなど、驚きの連続だ。
世界各国のオフィスに共通するのは「その国の文化を表現し、訪れた人が楽しめるデザイン」(広報担当・緒方慈子さん)。グーグルではプロジェクトごとに必要なメンバーが国境を越えて集まる。異なる文化や考え方に触れることでよりよいアイデアを生んでほしい、という狙いがあるようだ。
設備も非常にユニーク。朝昼晩いつでも無料の食堂のほか、スナックコーナーを各デスクから一定の距離に配置。図書室、ビリヤード台、卓球台のほか、ミニジム、ゲーム機まである。海外には自転車用通路(オランダ)、ブランコ(スイス)、オープンテラス(アメリカ)を備えるところもある。
ある社員は「家に早く帰る必要すらなくしてくれるオフィス」と言う。ここにいれば外に出ずとも気分転換ができ、小腹が減ってコンビニに行く必要もない。なにより、居心地がいい。一見、遊びすぎとも思える多彩なオフィスは、仕事の効率化とよりよいアイデアを生み出すため、会社の整えた万全の体制なのである。