賃貸4室を併設35坪をフル活用

都市部では二世帯住宅に「賃貸住宅」を加えることで、さらに負担を軽くすることができる。そこで注目されているのが「5階建て住宅」だ。たとえば1階には店舗、2階と3階は賃貸住宅として入居者を募る。そのうえで4階と5階を自宅として使う。こうした使い方であれば、自己資金がゼロでも、賃貸部分の収益を前提にローンを借り入れることができる。

店舗や賃貸住宅を併設する場合には、立地の利便性が重要になるため郊外よりも都市部のほうがいい。また都市部では土地は狭小でも、建ぺい率や容積率が大きくなることで、敷地に対して高さを活かしやすい。

各社がこうした大型住宅に力を入れているが、このうちパナホームは2004年から「5階建て」を提案している。またこの数年の需要の高まりから12年4月に日本で初めての5階建てモデルハウスを東京都墨田区に開設。13年5月には渋谷区に2棟目をオープンさせた。

品田さん一家。左から洋之助さん(71)、千尋さん(32)、宗保さん(37)、公子さん(67)。

東京スカイツリーが間近に見える墨田区内に、13年7月に完成した5階建て住宅がある。施主の品田さんは5人暮らし。「親世帯」は洋之助さん(71歳)と公子さん(67歳)、「子世帯」は宗保さん(37歳)と千尋さん(32歳)、和夏ちゃん(2歳)の3人だ。

土地は約35坪。最寄り駅から徒歩数分、大通りに沿った便利な場所だ。1階は宗保さんが経営する洋風居酒屋で、2階に洋之助さん夫婦、5階に宗保さん家族が住む。1階、2階と5階は、品田家専用のエレベーターで結ばれている。3階と4階は1Kの賃貸住宅が2部屋ずつ。入居者はすでに決まっているという。

「住み慣れた場所で、子どもたちと一緒に住める安心感は大きいですね。孫ともよく遊んでいます」(洋之助さん)