お金のプロが初告白。老親の面倒を見て、初めて気づいた本当に必要なこと。安全、入院、人間関係、家計や家の管理、葬儀、相続……。多くの人が陥りがちな問題もこうすれば解決する。

ここに気をつけないと家族間が険悪に!

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親が入院、介護が必要とわかったら即すべきこと

親が倒れたときのシミュレーションをしておこう。入院がなかった場合、入院、手術をともなう入院、重篤な場合など、病状によって駆けつける優先順位を考えておく。時間と交通費がかかる遠距離で緊急を要さない場合は、近くの親戚や近隣の人に様子を見てもらい、次の休みに訪ねるようにする。緊急性の高い呼び出しでは、夜間であれば交通手段の車を兄弟の誰が出すかなども考えておこう。

私は入院時に母がすぐに持っていけるよう、着替えや洗面道具など2泊3日の入院グッズを入れた小さな旅行鞄を母に用意してもらっている。また、自治体などが配布している本人の慢性疾患や緊急連絡先などの情報を記した「救急医療情報キット」を冷蔵庫の中などわかりやすい場所に備えておくといい。救急隊員が冷蔵庫からこのキットを取りだし、救急情報を見て素早く対応できるからだ。

主治医を決めておくことも必要だ。母のかかりつけ医は父ががんで亡くなったときの担当医なので、家族状況や母の性格などを把握したうえで対応してくれる。彼には携帯電話番号とメールを教えてもらい、ポリープ持ちの母の大腸がん検診の結果やピロリ菌除去治療などを直接聞くようにしている。年寄りから治療内容を聞き取るより、主治医から直接説明を受けるほうが確か。離れて住んでいることを説明すれば、メールアドレスなども教えてくれるはずだ。