巖さんの病状に明るい兆し

冤罪事件の元被告 袴田 巖 
1936年、静岡県浜松市生まれ。元プロボクサー。30歳のとき勤務先の専務宅が放火、一家4人が惨殺された事件で逮捕。80年に死刑が確定したが、14年3月に再審開始が決まり、47年7カ月ぶりに釈放された。(写真左は姉・秀子さん)

2014年3月に再審が認められ、約48年ぶりに釈放された無実の死刑囚・袴田巖さん(78歳)。自由を奪われた状態が続き、精神が不安定になる拘禁症や糖尿病などの影響で3カ月間入院。7月初めに退院し、今は姉の秀子さん(81歳)の自宅で暮らしている。だが、ほとんど外出することはなかった。

8月末には自宅で倒れ緊急入院、周囲を慌てさせた。高熱から肺炎を起こし、さらに胆石の除去手術と心臓カテーテル手術を受け、1カ月の入院を余儀なくされた。しかし順調に回復、退院後はそれまでとは見違えるように意欲的になった。秀子さんが言う。