表情、仕草に語らせる

大森ひとみ(おおもり・ひとみ)
大森メソッド社長兼CEO、AICI国際イメージコンサルタント協会最高位イメージマスター。武蔵野音楽大学声楽科卒業後、日産自動車に入社。ミスフェアレディとして勤務の後、研修センター講師として人材教育に従事。その後大手人材派遣会社教育部長を経て、1990年人材教育及びイメージコンサルティングを専門とする大森メソッドを設立して現職。 >>大森メソッドのWebサイト http://www.ohmori-method.co.jp/

気後れしていた社長を、世界を飛びまわるトップ営業マンに変えたのは、プロからのアドバイスを受け、トレーニングを続けたという「自信」でした。自分に自信が持てるようになると、まず姿勢が変わります。背筋は真っすぐに伸び、下向き加減の顔は明るく前を向き、目が輝きます。人と会うのが楽しみになります。面談の際も、表情が豊かになり、自然に身振り手振りが加わり、好感度が上がって良い第一印象を与えることができます。もちろん、挨拶や仕草、ビジネスマナーも洗練されていなくてはなりません。これらの要素が、Behaviorです。

面談相手の営業パーソンが、姿勢が悪く頼りない印象、笑顔もなく、暗くて無表情であったら、そのような人に重要な仕事を任せようとはだれも思わないでしょう。自分のメッセージと情熱は、言葉の前に全身で表現しなければ伝わりません。

ポイントは、「元」のマネジメントです。「目は心の鏡」といわれるほど、多くを語ります。表情に自信のない人は、目力をアップして目元をパワーアップしてください。トレーニングは簡単。目を一度呼吸させる感じで大きく開け、自然に戻す。これを何回か繰り返すことで、目に光が集まり、キラキラと輝いてきます。

次に、口元です。口角(口の両端)が下がっていると、相手に傲慢な印象を与え、不満を抱いているかのようなネガティブなイメージを与えてしまいます。横一文字に結んでいると、我慢、必死など余裕のないメッセージになってしまいます。表情を良くするために、軽く口角を引き上げておくことを憶えておいてください。

とどめは、スマイルライン。ニッ!と笑い、上の前歯から犬歯までの6本が見えるこのラインを見せて話すことで、表情が明るく、相手に爽やかさを伝え、好感度がグンとアップします。ビジネスの世界で交渉が成立するか否かは、面と向かってならわずか2~4分と言われています(アリゾナ州立大学ジャネット・G・エルシー教授)。正しい姿勢、洗練されたマナー、そしてスマイルラインで、この数分間を制してください。