言葉に感情を乗せる

外見力を構成するもうひとつは、Communicationです。第一印象は、声の調子、話し方にも大きく左右されます。人は、多かれ少なかれ、話し方にクセを持っています。声がくぐもる人、母音の発音があいまいな人、「あー」とか「えーと」を多用する人、結論が遅く文脈がはっきりしない人、などなどです。さらには、言いたいことだけ一方的に話す人もいます。これでは、キャッチボールとしてのコミュニケーションは成立しません。

私は記者発表を控えた人、大きなプレゼンテーションに臨む人、講演をする人などに対し、滑舌を良くする、クセの原因を見つけて解決し、スピーチの文脈を整えるなど「伝わる話し方」のトレーニングも多く行なっています。プレゼンテーションや商談では、相手に意図が伝わり、共感されてこそ成功といえます。伝えたい内容に合わせて、話し方を変化させる。

とくに効果的なのは、「間」。ポイントを投げかけたらひと呼吸置いて相手の様子を計り、心理を読み取って次の言葉を適切に選択するための「間」。そして強調すべきところは強く、ゆっくりと話す。強弱、抑揚、速さ。言葉に感情が乗らない「無表情な話し方」では、相手の心には届きません。