会社の「顔」として、営業パーソンが顧客に与えるイメージの影響は計り知れない。世界で10人、アジアでは2人しかいない国際イメージコンサルタント・イメージマスター(AICI CIM)である著者が、顧客と接する人間であれば知っておかなければならない、服装に留まらないスタイル・所作など「外見のツボ」を伝授する。
大森ひとみ(おおもり・ひとみ)
大森メソッド社長兼CEO、AICI国際イメージコンサルタント協会最高位イメージマスター。武蔵野音楽大学声楽科卒業後、日産自動車に入社。ミスフェアレディとして勤務の後、研修センター講師として人材教育に従事。その後大手人材派遣会社教育部長を経て、1990年人材教育及びイメージコンサルティングを専門とする大森メソッドを設立して現職。 >>大森メソッドのWebサイト http://www.ohmori-method.co.jp/

営業パーソンに求められるものは、何でしょう。以下に3つ挙げてみました。

「マーケティングマン」になる

営業のプロフェッショナルである私の知人は、(ピーター・ドラッカーの言葉を借りるまでもなく)こういいます。「営業とは企業活動そのものである」と。ところが、企業の組織が細分化され、営業=セールスだけをしていればいいんだ、作ったものを売ってくるのが仕事だ、となったとき、もちろんすべてではありませんが、営業はたちまちプレッシャーの多い、靴をすり減らし、汗をかきながら訪問を繰り返して「ものを売り込む」、というイメージになってしまいます。

マーケティングとは、簡単にいうと、物が売れる仕組みをつくり、手順を追って実行していくことです。営業とは、そのプロセスを分解していくと、与えられた商材(もの、こと)をそのバックグラウンドを含めて理解し、市場を俯瞰し、訪問する顧客について事前にできるだけ調べ、ライバルとの優劣の分析からセールスポイントを導き出してキラートークを決め、準備万端で出かける。そして、相手の反応を見ながら傾聴と説得、相づちと間を効果的に活用しながら臨機に応酬話法をし、スムーズにクロージングに持って行く、というもの。

つまり営業とは、それ自体、マーケティングの要素をすべて持っているということです。そう考えることができれば、そしてそれが実行できれば、営業活動は汗の匂いから開放され、誇りと、自分自身の知恵と創意に満ちたやりがいのあるものとなるでしょう。