「評判がいい人はヘッドハントされやすく、社長としても大成します」

これまでに5000人以上の企業幹部を面接した凄腕ヘッドハンターの井上和幸氏(経営者JP社長)が断言する。ことは経営者に限らない。

大森メソッド社長 
大森ひとみ氏

評判は外見と内実との掛け合わせだ。ビジネスマンの「外見力」を引き上げる国際イメージコンサルタントの大森ひとみ氏によれば、外見の印象がよい人は総じて年収が高いという。

「米テキサス大学のハマー・メッシュ教授が一般の人に7500人のビジネスパーソンの写真を見せ、どんな印象を持つかを5段階評価で尋ねました。すると、好印象を持たれた人ほど実際の年収も高いという結果が出たのです。上位半数と下位半数とでは、生涯収入で1人あたり4000万円の差がありました」

国際イメージコンサルタントの最上位にあたるCIM(サーティファイド・イメージ・マスター)の称号を持つ大森氏は、美貌を曇らせてこう続ける。

「人が『感じのいい人』を選ぶのは人間の遺伝子にあらかじめ組み込まれた性質です。ビジネスにおいても、感じのいい人ほど上司や部下に愛され、取引先とも大きな仕事ができるのだと思います」

人は社会的な動物だ。感じのいい人とは付き合いたいが、感じの悪い人は遠ざけたい。印象や評判が仕事の成否を左右するのは当然だろう。では、少しでも評判を引き上げるにはどうするか。

「人と会うときは第一印象に気をつけてください。『初頭効果』といって、一度目に会ったときの印象が後々まで尾を引くからです。最初に『あ、感じのいい人だ』とか『元気のいい人だな』というポジティブな印象を与えていれば、少々粗相があっても悪く思われることはありません。反対に悪印象から入ると、挽回するのは難しいですよ」(大森氏)

その大切な第一印象を決定づけるのがノンバーバル(非言語)コミュニケーションだ。大森氏によると「人間の意思伝達は表情や姿勢、服装といった『外見』によるものが55%、話し方が38%、あわせると93%がノンバーバルコミュニケーションだといわれています」。