なぜ彼女は新たな戦略を実行できたのか?
デロイト・コンサルティングのスペシャリスト・リーダーという現在のポジションにつく前に、カルメン・メディナは政府の保安機関で働いていた。勤めて10年経った1990年代半ば、彼女はその機関のビジネスモデルにはデジタル戦略が欠けていることに気づいた。「これは本当に重大な問題であり、何とかする必要があると思うようになった」と、彼女は語る。彼女はその機関に電子的手段による政策決定者への情報伝達方法を考えてもらいたいと思っていたのだが、ほとんど耳を傾けてもらえなかった。
それでも、カルメンはあきらめなかった。「インターネットがあらゆることを変えるだろうという話をして、かわいそうな友人たちをうんざりさせたことを思い出すわ」と、彼女は言う。その問題が自分の職務の一部なら、戦いをもっとうまく進められるはずだということを彼女は理解していた。そして98年、彼女はその機会を与えられた。「担当する職務リストで新しいポジションができたの。オンラインでの情報伝達方法を考え出すこともその一つだった。リストの最後に置かれていたんだけどね」と彼女は語る。
「でも、私はそれをもっと大きな仕事にしたかった」。彼女は面接で自分がそれをどれほど重要だと思っているかを力説。採用担当マネジャーは彼女に、あなたのおかげで考えるべきことがたくさんできたと言い、ポジションを彼女にオファーした。
デジタル戦略が彼女の職務の一部になってからも、戦いは容易ではなかった。だが最終的に彼女はその機関の仕事の仕方を変える力になった。「戦うときはいつも正しくなくてはいけない。自分の考えは正しいと確信していたわ」と、彼女は語っている。
(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)