――ご自身が最も学びが多かったのは?
【白井】やはり、店舗にいた頃だと思う。印象深いのは関西1号店のオープン。経験を積んだ北海道に比べ、お客様は価格にシビアでそう簡単には買ってもらえないと覚悟していた。ところがオープンしてみると、関西のお客様は商品を見る目が高いと実感した。品質が高く、お値段以上のバリューがあれば買っていただける。買ってくれるということは、お客様が財布からお金を出して投票してくれたということ。お客様からいろいろ学べる店長の仕事は、今でも魅力的だと思う。
――社長として今後、力を入れていきたいことは?
【白井】人づくり、組織づくりに最も力を入れていきたい。事業計画の遂行には強い組織が必要であり、そのためには人材の質と量が問われてくる。当社ではチェンジ、チャレンジ、コンペティション、コミュニケーションの4Cを大切にしている。この4Cをしっかり身につけた人材が増えて、そこからリーダーが育ってもらうのが希望だ。それは国内も海外も変わらない。優秀な人材ほど幅広い仕事を経験してほしいので、特にローテーションは重要だと考えている。
それから、目の前に重い荷物と軽い荷物があったら、重いほうの荷物を運ぶ、簡単な道を行くより難しい課題に取り組む選択をしてほしい。パートやアルバイトも含め、全従業員がそのマインドを大切にする、そんな企業風土が自然と育まれるような会社にしていきたい。
ニトリ代表取締役社長 白井俊之
1955年、北海道生まれ。79年宇都宮大学を卒業後、ニトリ入社。複数の店舗で店長として活躍。2004年常務、08年専務。10年取締役専務執行役員。14年5月より現職。
1955年、北海道生まれ。79年宇都宮大学を卒業後、ニトリ入社。複数の店舗で店長として活躍。2004年常務、08年専務。10年取締役専務執行役員。14年5月より現職。
出身高校:札幌南高校
長く在籍した部門:人事、組織開発
座右の書(または最近読んだ本):様々な本を乱読する
座右の銘:難しいことから取り組む
趣味:プール、ジャグジー
(伊田欣司=構成、向井 渉=撮影)