森谷明博●わたみん家・大船店店長

僕の原点って大学の寮なんです。寮生たちと「ワッショイ、ワッショイ」と言いながら大騒ぎする。その笑顔って忘れられない。だから僕が目指すのは、お客様の笑顔、満足度、感動、涙を生み出し、働く仲間が笑顔で働けるような店です。

夢のためには戦わなきゃいけないこともある。本部から監査が来たことがあります。飛ばされることもあるから、普通の店長はビビリながら対応します。でも僕は違った。その監査の人が、お客様がごった返している時間帯にやって来た。絶妙な加減で焼き上がった焼き鳥を持っている僕に、いくらでも後回しにできるような質問をしてくる。だから僕は「とりあえずこれ、運んでもらっていいですかね。冷めるから」って言った。喧嘩を売ったんじゃない。「1人でも多くのお客様にあらゆる出会いとふれあいの場と安らぎの空間を提供すること」がワタミの理念だから、監査よりもお客様が大事。僕は目の前の焼き鳥が冷めていくのが耐えられなかったんです。店舗の閉鎖が決定しかけるぐらいの大問題になりました。

(村上庄吾、原 貴彦、市瀬真以、奥谷 仁=撮影)
【関連記事】
渡邉美樹「ブラック企業疑惑のすべてに答えよう」
本当の「ブラック企業」とは、どういう職場か
なぜ「飛び降りろ」と叱咤できたのか -ワタミ会長 渡邉美樹
時給1500円でも応募なし! バイト獲得大戦争【1】すき家・ワタミ
ワタミが上場初の赤字、居酒屋はもう限界か