世間のことがある程度わかった大人になってから、受験科目を見直してみると、なかなか知的好奇心をくすぐるものがある。もはやテストの心配もない。「大人の教養」を楽しんで身につけてみませんか?

生活の役に立たないと考えていると損をする

「数式を解けても、実生活には何の役にも立たないじゃないか」

代々木ゼミナール講師 荻野暢也 
東京理科大卒。ダースベイダーとウルトラセブンを愛する代ゼミの数学講師。著書に『荻野の天空への理科数学』。

数学嫌いの人はよく、こんなことを言いますが、それでは「実生活に役に立つ知識としての数学」に親しんでいただける本を紹介しましょう。『面白いほどよくわかる確率』。この本は見開き単位で「宝くじの確率」「誕生日が一致する確率」「3割打者がヒットを打つ確率」など身近なテーマで確率を論じています。たとえばパチンコ。大当たり確率300分の1の台は「300回まわせば当たる」と思いがちですが、確率の計算式に当てはめ“必ず大当たりする”確率を求めると1400回まわす必要があるのです。そうした確率における誤解、知らないと損する錯覚を解き明かしてくれる一冊。

(相澤光一=構成 奈良岡 忠=撮影)
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