盛り上がりを見せるブラジルW杯。各国のスター選手が集まる中で、ひときわ輝きを放つのがアルゼンチンのメッシ、ポルトガルのロナウド、ブラジルのネイマールの3人だ。『誰がどう言おうと議論の余地はない。現時点で、この3人が世界最高の選手だ』とは優勝候補ブラジル代表の監督スコラーリの言葉だ。欧州の著名ジャーナリストが本人たちも含めた有力者たちの証言をもとに、プライベートも含めて3人を徹底比較した書籍が『Who is the Best? ~メッシ、ロナウド、ネイマール。最高は誰だ?』。なぜ、この3人は別格なのか? 様々な面からその秘密を見ていこう。
ブラジル代表監督のビッグ・フィル(フェリペ・スコラーリ)はセレソン(ブラジル代表)監督として2002年日韓共催W杯を制し、2014年の今、再び母国に栄光をもたらそうとしている。
ルイス・フェリペ・スコラーリは65歳、監督として数々の栄光を勝ち取ってきた。ブラジルのカシアスとグレミオから、日本のジュビロ磐田とチェルシー、そしてブラジル代表を率いた後、ポルトガル代表を率いて、またブラジル代表を指揮することになった。
スコラーリは1950年の自国開催W杯決勝で誰もが優勝を疑わなかったウルグアイとの試合に敗れた悪夢マラカナッソ(マラカナンの悲劇)に終止符を打とうとしている。
世界最高の選手3人について語ってもらった。
――ネイマールのことをどう見ているか?
【スコラーリ】ネイマールは“超”が付くいい選手で、非常にプロ意識も高い。常に努力を怠らず、限界に挑戦し、上達への意欲が衰えることもない。技術的にもさらに進化しようとしており、そのうえで守備的な要求にも応えようとしている。
彼のようなクリエイティブな選手は、往々にして後ろに下がって敵をマークするような仕事を嫌がるものだが、彼はそういったこともそつなくこなしている。ネイマールは常に何らかの新しい技量を加えようと努力を重ねている。
彼の美点といえば、相手をよける能力、即興性、ファンタジスタの要素といったところだろう。ああいうのは、生まれつきのものとしか言いようがない。
我々にできることがあるとすれば、そういった要素をさらに引き出して戦術に当てはめていくことだけだ。これこそ、サントスでムリシ・ラマーリョ監督が、ブラジル代表チームで我々が、そしてバルセロナでタタ・マルティーノ監督がやろうとしていることなのだ。