ネイマールには、さまざまな要素がブレンドされている。9番の要素、11番の要素、8番、7番、10番の要素も含まれている。私は今後、欧州でやっていくうえで基礎となる戦術と戦略をネイマールが徐々に学んでいくと確信している。
ブラジルには独自のスタイルがあり、フットボールも別物のところがあって、即興性が重視されている。だが、欧州では毎シーズンの試合数が多く、それだけではやっていけない。ネイマールは、メッシのすぐ横にいることで多くを学んでいくことは確かだ。
――2014年W杯についてお話しいただきたい。優勝候補と3人の活躍についての予想を。
【スコラーリ】現時点でブラジルが世界最強と断言することはできない。我々は20~30年前のような圧倒的な存在ではない。もはや、1970年のブラジル代表ではないのだ。今日、フットボールのレベルは世界的にバランスがとれて近づいてきている。
確かに、我々にはホームで試合ができる、サポーターがついているという強みはある。それは大きな要素だが、だからといって、アルゼンチン、ドイツ、スペインのような国を圧倒するほど我々が飛び抜けているわけではない。
それを踏まえたうえで、ブラジルには次の統計を付け加えることができると思う。イタリアは2度のW杯を開催し、1回は優勝して、もう1回は敗れた。ドイツも2回開催し、1回勝ってもう1回は敗れた。我々はかつて1度開催し敗れている。そう考えると、統計的には今度こそ我々が勝ってもおかしくないのではないか。
※本連載は書籍『Who is the Best? メッシ、ロナウド、ネイマール。最高は誰だ?』(ルーカ・カイオーリ 著)からの抜粋です。