認知度はジワジワと浸透し、13年12月には某雑誌の企画で「ジェネリック家電大賞」が選ばれた。「生活家電部門」の大賞は、山善の扇風機。強中弱の切り替えやタイマー、高さ調整機能などの基本性能があり、1500円弱の価格で買えるヒット商品だ。このほか、アイリスオーヤマのマルチクッカー(3000円弱)、5年で80万台以上を売り上げたコイズミのヘアドライヤー(2500円前後)、7000円以下で十分な機能のついた山善のカジュアルこたつなどが選ばれた。
このラインアップを見てもわかる通り、ジェネリック家電に多いのは小型から中型の家電だ。電子レンジ、掃除機、ホットカーペット、ラジカセなど、すでに公開されている基礎的な技術があれば製造できるものが得意とする分野だ。
反対に、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど大型家電は、技術進歩が速く、次々と消費電力の少ない新しい商品が開発されている。リサイクル法などとの兼ね合いもあり、経営規模の小さな中小メーカーは手を出しにくいといった面もあるのだろう。
このように、ジェネリック家電には、得意、不得意がある。日本が「ものづくり大国」として成長してこられたのは、家電をはじめとするメーカーの努力のたまもの。日本の技術を育てるという別の視点から見れば、大手メーカーの商品を買って応援するという選択もある。
だが、求めるニーズがはっきりしていて、シンプルな機能を求める人にとって、小型から中型家電は、価格の安いジェネリックはお勧めだ。
(構成=早川幸子)