「電力不足はエネルギー施策を見直す好機」。前東大総長の小宮山氏が説く新生日本をつくるための具体的なプランとは。
関東に住む人にとって頭が痛いのが、夏場に予想される計画停電であるが、ご安心いただきたい。停電は回避できる。以下、いくつかの方法を提示したい。
東電管内ではピーク時に6000万キロワットの電気を使用しているが、その内訳は工場、オフィス、家庭がそれぞれ2000万キロワットだ。最大供給量は5380万キロワットにしかならないというから、足りない620万キロワットを捻り出さなければならない。政府は先日、家庭、企業とも前年比15%減という目標数字を発表した。
一番簡単な方法は「家電買い替え」である。夏までに、東電管内のすべての家庭が冷蔵庫とエアコンを最新型に替える。冷蔵庫、エアコンの消費電力は、それぞれ300万キロワット(全家庭分の15%)、600万キロワット(同30%)。買い替えによって3分の1ずつ、つまり100万キロワットと200万キロワットで計300万キロワットは減らせる。
オフィスの場合、2000万キロワットのうち800万キロワットが照明(全オフィス分の40%)に、600万キロワットがエアコン(同30%)に使われている。照明に関しては蛍光灯の半分をLEDに替えるだけで400万キロワットまで削減できる。エアコンも新調すると200万キロワットは減らせる。これで計600万キロワットになり、家庭分とあわせて900万キロワットの削減が可能だ。