【田原】僕は日本の会社は総じてマネジメントが下手だと思う。社員を真面目にしようとしすぎて、感受性や創造性を剥ぎ取っていくんだよね。だから会社員の多くは元気がない。

【前澤】うちは一昨年の5月から、9時出社で午後3時に終わる「6時間労働制」を始めました。仕事は短時間で集中して終わらせて、もっとよそで学んだり、遊んだほうがいい。自由な時間が増えて、趣味や家族とのコミュニケーションに使ってもらい、そこから得たものを仕事で発揮してもらえば、会社にとっても有益じゃないですか。

【田原】それは面白い。

【前澤】6時間にすると、仕事の効率も上がります。みんな責任感があるので、今まで8時間とか10時間かけていたものを6時間でやろうと集中して取り組んでくれています。

【田原】6時間は、お昼休みも入れて?

【前澤】いや、お昼休みなしです。僕自身、創業してからランチをとったことがほとんどないです。

【田原】えっ、社員も昼飯なし?

【前澤】はい、社員もなしです。ぶっ通しのほうが集中できると思うので。

【田原】それはすごい。社員から「おなかすいた」と文句は出ないですか。

【前澤】聞かないです。逆に「おかげで痩せられた」と言われたことはあります。お昼休みをなしにしただけで、飲食を禁止にしたわけではないです。デスクでスニッカーズをかじりながら仕事している子はいる。そこは自由です。

スタートトゥデイ社長 前澤友作
1975年、千葉県生まれ。94年早稲田実業高等学校卒。95年輸入レコード・CDの通販ビジネスを開始する。98年有限会社スタートトゥデイを設立。2000年同社を株式会社化。03年イラク戦争に反対し、「ノー・ウォー・オン・イラク」のTシャツを製作し、売上金の全額を寄付し、話題を呼んだ。07年同社を東証マザーズに上場、12年同社を東証一部に上場させる。
田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経てフリーに。活字と放送の両メディアで評論活動を続けている。『塀の上を走れ』『人を惹きつける新しいリーダーの条件』など著書多数。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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