【田原】ただ、三木谷浩史さんがファッションに無関心でも、ファッションに情熱がある人を雇って任せているはず。でも、どうして差がつくのかな?

2007年、東証マザーズに上場。

【前澤】楽天さんの場合、ハイセンスなものを置いていても、楽天市場という大きな仕組みの一部と見られるじゃないですか。一方、うちは専門店なので、洋服を選びやすい売り場構成になっているし、思いも届けやすい。そこの違いですかね。うちだけでなく楽天さんやアマゾンさんにも出しているブランドさんもありますが、売り上げはうちが上というところが多いです。

【田原】さっき、「売っている人が洋服を好きかどうかが大事」と言ったけど、そういう人を選んで採用している?

【前澤】はい。書類選考の写真の時点でだいたいわかります。

【田原】面接はどうですか。センスがあるかどうか、話せばわかる?

【前澤】僕の持論ですが、服のセンスがある人は感受性が豊かで、自分のことをよくわかっています。だからこそ自分に似合う服を選べるわけです。で、自分のことを知っているかどうか、感受性が豊かかどうかは、どんな話からでもわかる。だからファッションに限らず、いろいろ聞きますよ。

【田原】採用は大卒中心ですか。

【前澤】最近は大卒ばかりですね。

【田原】前澤さん自身は、大学はつまらないと思って進学しなかったのでしょう。どうして大卒ばかり採るの?

【前澤】高卒採用も考えたのですが、パイが小さくて、逆に採用コストが膨らんでしまうんです。コストの問題で断念しただけなので、学歴にこだわりはない。もう抽選で採用しちゃおうかと言っていたこともあるくらいです(笑)。

【田原】採用してから教育するのですか。

【前澤】教育もあまりやってないです。うちは分厚いマニュアルを用意するより、背中を見て勝手にやってくださいという“放任主義”です。