家事は目的ではなく手段

① 家事の目的は「作業をこなすこと」ではなく、家庭という組織の価値を最大化すること

トヨタ生産方式の大原則は「価値を生まない作業は極小化する」です。

家事の本当の目的は、

○ 家族の健康・安全
○ 心の余裕
○ 夫婦の自由時間の増加
○ 子どもとの質の高い時間

を生み出すことにあります。

料理や洗濯そのものが目的ではなく、それによって得られる価値こそが目的です。目的から紐解いたとき、価値を生まない作業を徹底的に排除、省力化・効率化していきましょう。

リビングを掃除する人とソファに座った人
写真=iStock.com/Yagi-Studi
※写真はイメージです
② ムダの見える化:家事には驚くほど“ムダ”が潜んでいる

トヨタ生産方式では、価値を生まない7つのムダが定義されています。日本の多くの製造業の企業では、7つのムダを共通言語にして、日々改善活動を重ねています。実際に私のクライアントにおいても、各工場には「7つのムダポスター」が貼られていました。

「8つのムダ」を洗い出してみた

7つのムダを参考に、家事のムダを8つ挙げてみます。

○ 過剰品質(必要以上の掃除、手のかかりすぎる料理)
○ 在庫のムダ(日用品の買いすぎ、洗濯物や食器の溜めすぎ)
○ 動作のムダ(探し物が多い、家の中を何度も行き来する)
○ 加工のムダ(必要以上に食材を下ごしらえ、服を丁寧にたたみすぎる)
○ 待ちのムダ(洗濯・乾燥の待ち時間、家族の支度待ち)
○ 運搬のムダ(収納場所が遠い)
○ つくりすぎのムダ(つくり置きが腐る)
○ 人的ミスのムダ(夫婦の役割分担が曖昧でやり直し)

まずは家事のムダを棚卸し、やらないものを決める。ここからすべてが始まります。

家事を頑張っている人に「その行為はムダ!」というとケンカが始まります。①で掲げたように、あくまで目的に立ち返って、家庭の価値を最大化させるために、価値を生まない行為を見直していくのです。

③ 分担は「適材適所」ではなく「ボトルネック解消」で決める

家事や育児は、子どものリズムにあわせて組まれることがほとんどです。そのため、全ての工程を滑らかにするために、オペレーションを遅らせる“詰まり”を潰すことが最優先となります。

仮に、夕方の「ご飯→お風呂→寝かしつけ」が最も負荷が高いなら、そこにリソース(夫・妻)を集中投下するのが合理的です。

「その作業は夫婦のどっちが上手いか」も重要な視点ではありますが、詰まる作業を潰せるように事前にオペレーションを組むことが、実は一番ケンカが減ります。