男性は全員が更年期になるとは限らない
男性でも精巣の働きが低下すると、女性同様に性ホルモン値が急激に減少するケースがあります。性ホルモン(テストステロン)の急激な減少に身体が適応できず、様々な不調が起こるのが男性更年期(加齢男性性腺機能低下症候群、LOH症候群とも呼ばれますが、ここでは男性更年期で統一します)です。
『LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き2022』では「染色体異常、遺伝子異常、あるいは精巣の傷害、腫瘍、機能異常、および中枢神経系などの疾患に起因するものでなく、主として加齢、あるいはストレスに伴うテストステロン値の低下による症候群であり、テストステロンの低下に伴い多臓器の機能障害をきたす病態」と定義されています。
男性更年期と女性の更年期には、二つの大きな違いがあります。一つ目は、女性は全員に更年期が来ますが、男性は全員に更年期が来るとは限らない、という点です。
男性更年期になるかならないかは、精巣のご機嫌次第なのです。40歳以降、いつでも起こる可能性があります。40歳そこそこで男性更年期の人もいれば、アラ還になってから男性更年期になる人もいますし、一生男性更年期にならない人もいます。
男性更年期障害患者は600万人いる可能性
性ホルモンを分泌する精巣が寿命を迎えるか否か、いつ寿命を迎えるのかは個人差がありますし、一生寿命を迎えないケースもあります。
日本では50歳代男性の約10%、60歳代男性の約20%が男性更年期障害を抱えていると言われています。40歳代の約10%、50歳代の約20%、60歳代の約50%が血中遊離テストステロンの低下を認めたというデータがあり、日本国内には男性更年期障害患者が600万人いる可能性があります。
二つ目の大きな違いは、男性更年期障害を引き起こすテストステロンの分泌量低下は加齢だけでなく、ストレスも要因であること。昇進、転職、役職定年といった仕事上の環境変化に伴うストレス等でテストステロン値が低下し、男性更年期障害を引き起こす可能性もあります。
男性更年期は女性の閉経のように明確な指標がないので心の準備がしにくく、女性の更年期と違って終わりが見えにくい。だからこそ、男性は女性以上に更年期を意識することが賢明です。
