スーパーでは1円でも安い商品を探すのに、お金が貯まらないのはなぜか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんは「セールの割引率や『98円均一』の値札にも、思わぬ浪費の落とし穴がある。『損したくない』心理が余計な出費を招いている」という――。
スーパーで頭を抱える女性
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安く買うほど出費が増える不思議

国会では消費税減税法案の審議が進んでいる。成立すれば来春4月から食品の税率は8%から1%へ下がり、家計への恩恵が大きいと政府は訴える。賛否あるものの、安くなるならと減税を待ち望んでいる生活者も多いだろう。それほどあらゆる値上げは私たちの暮らしを圧迫しているのだから。

物価高時代の今、誰もがなるべく安く買いたい、支出を抑えたいと願っている。しかし、安く買うことにこだわりすぎて、逆に出費が増えてしまう人もいる。

さらには同じ消費のシーンなのに、高額商品を選ぶ時には真逆な行動をとってしまうこともあるのだ。良かれと思って余計な支出がどんどん膨らんでしまっていないか、普段の買い物行動を振り返ってみてほしい。

【余計な出費の落とし穴①】
ネットのセールでは割引率がより大きいものを選ぶ

年末に向け、ブラックフライデー等の大型セールが開催される。気になる商品を安く買えるチャンスだと、セールを待ち望んでいる人は多いだろう。狙いをつけている商品の価格を調べて、どのくらいの割引になるかと期待してしまう。

しかし、いざセールが始まってみると、本来買いたかった商品Aより、似たような商品Bのほうが割引率が高くなっているのに気づいた。Aが20%引きに対し、Bは50%と半額なのだ。割引後の価格はBのほうがAより高いとはいえ、半額で手に入るのなら20%引きよりずっとオトクに買えたことになる。

20%オフより50%オフが損なワケ

こうして最初に予定していたAではなく、値引き幅の高さゆえにBを選んでしまう人は、残念ながら買い物上手とは言えない。欲しいものを安く買えるチャンスだったのに、それより価格が高いBをわざわざ選んでいるからだ。いくら払うかよりも、元の価格からいくら安くなっているかという「アンカリング効果」に惑わされた結果だ。

上手な買い物ができる人は、自分が払う金額がどれだけ少なくて済むかで判断する。セールでは割引率よりも値札に書かれた数字を見ること。それが実際に支払う金額なのだから。