※本稿は、山田悟『糖質老化』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
皮下脂肪の意外な役目
糖質老化とは、食後高血糖が続くことにより、細胞や内臓に変化が生じることです。食後高血糖(糖質疲労)がもたらす、細胞レベルでの変質は、すい臓だけではなく、様々な内臓や筋肉に起こります。一例は、「本来ないはずの場所に脂肪がついてしまう」という現象で、臓器に悪影響をおよぼすことがしばしばです。
前著の『脂質起動』は、脂質をしっかり摂ることの大切さをお伝えした1冊でした。その中で強調したように、食べる脂質はからだの脂肪を燃やすスイッチを起動してくれます。しかし、「体内にたまりすぎる脂肪」には、問題が伴いがちです。たとえば、皮下脂肪と内臓脂肪――。皮下脂肪とは、文字どおり、皮膚の下にたまる脂肪です。
お腹のでっぱりが気になり、お腹を指ではさむと、つまめるのが皮下脂肪です。内臓脂肪は、消化管などの内臓のまわりにたまる脂肪。でっぱったお腹の奥にある、指でつまめないタイプの蓄積脂肪です。適切な量の皮下脂肪には保温やクッション性といった大切な役目があります。
内臓脂肪は「悪玉」を生み出す
外部から加わるダメージを和らげて、皮膚の内側の筋肉や臓器などが損傷したりすることから身を守ってくれます。断熱材としての皮下脂肪は、外気温の変化がダイレクトにおよばないようにすると同時に、からだの熱が外に奪われるのを防ぎ、体温を一定ゾーン内に収めやすくするのです。
アザラシやクジラ、北極圏に棲むホッキョクグマなどの皮下脂肪が分厚いのは、ヒトと同じく恒温動物の哺乳類で、体温を一定に保つためです。また、ラクダのコブのように、皮下脂肪には、脂肪と同時に水も蓄えておくというはたらきもあって、皮下脂肪の蓄積には脱水へのサバイバルシステムとしての目的もあると考えられています。
一方、内臓脂肪には、あまり役割があるとは考えられていません。内臓脂肪は、消化管が運動してこすれ合う際の潤滑油としての役割や、骨で保護されていないお腹、内臓への外的衝撃からの保護剤としての役割くらいしか想定されません。たまりすぎた内臓脂肪は、悪玉ホルモンの分泌源として振る舞うようになります。

