健康で長生きするためにはどうしたらいいか。糖尿病専門医の山田悟さんは「糖尿病や生活習慣病に注意すべきなのは、肥満の男性だけではない。長く栄養不足を経験した人に生じる“新しい糖尿病”がある」という――。(第7回)

※本稿は、山田悟『糖質老化』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

自己注射
写真=iStock.com/choi dongsu
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「食べ過ぎ」と無縁でも糖尿病になる

2025年、国際糖尿病連合が新たな糖尿病分類として5型糖尿病という概念を提唱しました。多くの人にとっては驚きの概念でした。低体重で、長く栄養不足を経験した人に生じる特有の糖尿病があり、それを5型糖尿病と呼ぶことを提唱したのです[1]。これまで、糖尿病の分類と言うと、以下の4つが知られていました。

①1型糖尿病

多くの場合、自己免疫現象によりご自身のすい臓にあるインスリン分泌細胞が破壊されて起こる糖尿病。小児期に発症することも多く、昔は小児糖尿病とも言われた。多くの場合、インスリン注射をしないと生命にかかわる。

②2型糖尿病

インスリンの分泌が低下したり、効き目が悪くなったりすることで、インスリンが相対的に不足して起こる糖尿病。生活習慣病の1つで、日本人の糖尿病の多くを占める。かつては、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足による自業自得の病気と考えられていた。

③特殊な糖尿病

病気や事故ですい臓を失ったり、ステロイド療法を受けたり、ある特定の遺伝子の変異があったりして、インスリンをつくりにくくなったり、インスリンの効果が悪くなったりすることで生じる糖尿病。

④妊娠糖尿病

妊娠を機に、赤ちゃんに栄養を届けるために、母体がすぐに栄養素を自分で吸収しないようにすべく、インスリンに対する反応性が悪くなって起こる一過性の高血糖。母体にとってというより、巨大児や肩甲難産や新生児低血糖症といった赤ちゃんにとってのトラブルにつながる。

これに対して、今回、国際糖尿病連合が提唱した5型糖尿病というのは、これまで2型糖尿病として扱われていたものの一部(医学的にはこれまで「やせの2型糖尿病」と呼ばれていた疾患)を、別に扱おうというものです。