健康的に痩せるためにはどうしたらいいか。糖尿病専門医の山田悟さんは「カロリー制限は短期的に体重が減る一方で筋肉や骨が老化することがわかっている。減らすべきはカロリーではなく糖質だ」という――。(第4回)

※本稿は、山田悟『糖質老化』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

生の鶏胸肉
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カロリー制限で「太る、老化する」という衝撃

スーパーやコンビニで食品を買うとき、パッケージに書かれているカロリー表示をチェックする。外食するときは、メニューのカロリー表示を確認してから注文する。健康のため、ダイエットのため、「高カロリーなものは避けて、低カロリーなものを選ぶ」――こんな習慣が身についている人は少なくないでしょう。しかし、ここで1つ、衝撃的な事実をお伝えしなければなりません。

カロリー制限は、長期的にはあなたを太らせます。そして、あなたを老けさせます。

「え? カロリーを減らすのに太る? それに老ける? 何を言っているんだ」と思われるかもしれません。でも、最新の科学的研究により、カロリーを制限すると、むしろ老化がブースト(加速)される恐れがあることがわかってきました。

いつまでも若々しくいたいのなら、カロリー制限に取り組んではいけません。控えなくてはならないのは、カロリーではなく、過剰な糖質です。糖質を控えようとするときに、「カロリー制限」から入ってはいけない。そのことをお話ししたいと思います。「カロリー制限」こそ、糖質老化を招く“意外な罠”であることを、最新の科学的エビデンス(証拠)をもとに、解説していきます。

筋肉と骨が減ってしまう

カロリー制限は、人を太らせて、老化に導く――。こう言うと、疑いの表情を浮かべる人もいるでしょう。実際、かつては、カロリー制限がアンチエイジングにつながると、研究者たちの誰もが信じていました(いえ、いまも、多くの研究者たちはそう信じています)。

というのも、当時の動物実験で、たとえば、マウスではカロリー制限で寿命延長効果が示されたことが、この説が信じられた理由でした。

そのため、「食べる量を減らせば老化も病気も防げる」と考えられた時期もありましたが、現在では、この考え方は大きく揺らいでいます。カロリー制限はほんとうにアンチエイジングにつながるのか――。これを検証したいくつかの研究があります。

まずサル(アカゲザル)の研究では、カロリー制限によって、心臓病やがんが減ったとする報告[1]と、寿命延長効果が確認されなかった報告[2]とに結果は分かれました。しかし、カロリー制限がよかったとするウィスコンシン大学の研究でも生じていた大問題があります。それが「カロリー制限で筋肉と骨が減ってしまう」という点でした[3]。