「それ、何の役に立つの?」への答え

私は多数のIT関連資格に挑戦してきましたが、その目的は資格合格そのものではなく、ITリテラシー(ITを理解し、適切に使いこなす能力)を高めることでした。

というのも、ITリテラシーを高めれば、時間と労力が大幅に節約できるだけでなく、意外なところで自己表現に役立つ可能性があると思ったからです。

ところが、そんな私にこんなことを言う人がいました。

「翻訳家の宮崎さんがエクセルを習って何の役に立つのですか。エクセルを使うのって、せいぜい家計簿をつけるときくらいでしょう。そんなの、必要が生じたときに詳しい人に教えてもらえれば済む話なのに」

当時の私は翻訳が主体でしたが、著書も執筆していましたし、一生翻訳しかしないと言っていたわけではありません。それなのにエクセルを使うのは「せいぜい家計簿をつけるときくらい」と可能性を限定するような言い方をされたのです。

彼のように他人が努力していることに対して「それ、何の役に立つの?」と疑問を呈する人の多くは、「自分が思いつく範囲内で」役に立つかどうかしか考えていないのでしょう。

「翻訳以外」で役立ったITスキル

しかし、学んだことがいつどのような形で役に立つかは誰にもわかりません。実際、私が身につけたITスキルはその後「翻訳以外」で役立っています。

たとえば、エクセルでデータ処理したりグラフ化したものが、著書用の原稿に役立っています。また、次々と講演やYouTube出演を依頼されるようになりましたのでパワーポイントの資料作成にも役立っています。

請求書を計算するビジネスウーマン
写真=iStock.com/AndreyPopov
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役に立ちそうにないことには手を出したくないのはわかります。しかし、ことITリテラシーに関していえば、一見役に立ちそうになくても、思いも寄らないところで役に立つことが多々あるのです。特に執筆、プレゼン、サイト構築といった自己表現を考えている人にとってはそれがいえます。

ITリテラシーを高めるモチベーションになるのがIT関連資格です。「必要が生じたときに詳しい人に教えてもらえれば済む」という考え方のままでは、好機が訪れてもそれを逃す可能性があります。

一方、自ら進んでIT関連資格を目指してITスキルを身につけておくと、その好機をつかめる可能性が高まるのです。