英雄の陰にあった支配者の顔
天正17年に入ってからの秀吉と秀長の確執は、おそらく「豊臣兄弟!」終盤に登場するはずだ。兄弟の関係は、落首事件と歩調を合わせたかのように狂い始めていく。
子が誕生したのを機に、秀吉は変わってしまった――いや、正確にはそれまで押し留めていた自分勝手で傍若無人な性格に歯止めが利かなくなったといえるかもしれない。結果、臣下や民を苦しめても顧みない、暴君と化していく。
天下人として栄華を極めた秀吉。その輝かしい栄光の陰には、権力に逆らう者を容赦なく踏みにじる、もうひとつの顔があったといえよう。聚楽第の落首事件が伝えるのは、後世に語り継がれる英雄の姿だけではなく、ときに苛烈なまでの処罰で民を苦しめる支配者の姿だ。
秀長が没するのは落首事件の2年後の天正19(1591)年1月。大河ドラマは秀吉の変貌をどう描くのだろうか。
参考図書
・福田千鶴著『淀殿 われ太閤の妻となりて』(ミネルヴァ書房、2007年)
・河内将芳著『図説 豊臣秀長』(戎光祥出版、2025年)
検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます


