その気になれば攻撃は日本に届く

北朝鮮は、日本のほぼ全域を射程に収める弾道ミサイルを保有している。代表的なのが、射程約1300キロとされる「ノドン」だ。そして防衛省は、北朝鮮がノドンなどに搭載できるほど核兵器の小型化・弾頭化をすでに実現しているとみている。

「EEZの外に落ちた」と聞くと、どこか他人事に感じてしまうが、実際には北朝鮮がその気になれば届く距離にあるわけだ。では、日本が実際に北朝鮮からの核・ミサイル攻撃にさらされる可能性はどの程度あるのだろうか。

言うまでもなく、最も警戒しなければならないのは、朝鮮半島で軍事衝突が起きた場合だ。北朝鮮と韓国の間で戦闘が始まり、米軍が韓国を支援する事態になれば、日本国内の米軍基地も軍事作戦を支える役割を担うことになる。

日本には横田、横須賀、嘉手納などの在日米軍基地がある。これらの基地は米軍の航空機や艦艇の運用、部隊への補給などを支えている。朝鮮半島で戦闘が拡大すれば、北朝鮮が米軍の増援や補給を妨げるため、在日米軍基地をミサイルで攻撃するおそれは高まる。

ただし在日米軍基地への攻撃は、日本と米国による軍事的な反撃を招く危険も孕んでいる。金正恩政権は、米軍の活動を妨げることで得られる軍事的な効果と、自国が受ける被害を考慮しなければならない。北朝鮮が日本への攻撃を選択するかどうかは、そのときの戦況や米軍の行動などに左右される。

日本はミサイルを迎撃できるのか

日本は、海上自衛隊のイージス艦に搭載された迎撃ミサイルと、地上に航空自衛隊が配備したPAC3を組み合わせて、弾道ミサイルに対処する態勢を整えている。イージス艦は主に高い高度で、PAC3は地上に近づいた段階で迎撃する役割を担う。

ただし、ミサイル防衛には課題が多い。短時間に多数のミサイルが飛来すれば、迎撃に使えるミサイルの数や、同時に対応できる目標の数が問題になる。飛行方向を変えるミサイルについても、現在の装備でどこまで対応できるか検証が必要だ。

さらに、迎撃能力を強化しても、すべてのミサイルを確実に撃ち落とせるとは限らない。

北朝鮮は、ミサイルを搭載した大型車両を使い、発射場所を移動できるようにしている。固定された施設から発射する場合に比べ、発射場所を事前に把握しづらくなる。山岳地帯などを利用して車両を移動させれば、発射の兆候をつかむための監視も複雑になる。

また、比較的低い高度を飛び、途中で飛行方向を変えるミサイルの開発も進めてきた。こうした飛行方式は、相手側による追跡や迎撃を困難にすることを目的としている。北朝鮮が発射方法や飛行方式を多様化させている以上、迎撃の難しさが増す可能性は想定しておかなければならない。