10月12日、北朝鮮が立て続けにミサイルを2度発射した。2026年に入ってからの発射回数はすでに2025年の2倍を超えている。軍事ジャーナリストの宮田敦司氏は「短距離弾道ミサイルを一発撃つには約4.5~7.5億円かかる。国民が貧困と栄養不良に苦しむ一方で、軍事予算が潤っているのには理由がある」という――。
2026年10月3日、北朝鮮東部で行われた中距離戦略ミサイルの発射訓練を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(右)と娘
写真提供=朝鮮通信/共同通信社
2026年10月3日、北朝鮮東部で行われた中距離戦略ミサイルの発射訓練を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(右)と娘

前年比2倍以上のペースで発射が続く

防衛省によると、10月12日、北朝鮮が午前9時19分頃と36分頃の2回、少なくとも2発の弾道ミサイルを発射した。

1発目のミサイルは最高高度約20kmで、220km程度飛行した。2発目は最高高度約70kmで910kmを超えて飛行し、変則軌道で飛翔した可能性がある。いずれも日本のEEZ(排他的経済水域)の外側に落下したとみられる。

10月12日に発射された2発の弾道ミサイル(防衛省「北朝鮮のミサイル等関連情報」より)
10月12日に発射された2発の弾道ミサイル(防衛省「北朝鮮のミサイル等関連情報」より)

北朝鮮によるミサイル発射は、長年にわたって繰り返されてきた。日本国内に落下しなければ、私たちの日常生活に直接影響することは少ない。12日のニュースを目にして「また撃ったのか」とだけ思った人も多いだろう。

だが、その回数は今年に入って確実に増加傾向にある。防衛省によれば2025年の弾道ミサイル等の発射は年間4回、少なくとも5発だった。これに対し、2026年は10月12日までに11回、少なくとも18発に達している。回数はすでに昨年の2倍を超え、発数も3倍以上となった。

背景にはおそらく、新型兵器の性能確認に加え、ミサイル部隊の実戦的な訓練の活発化があると考えられる。むろん発射回数の増加だけでその目的や軍事能力の向上を断定することは難しいが、北朝鮮は兵器の開発を続けながら部隊が実際に使用するための能力も高めようとしているのだろう。