2023年に時価総額1兆ドルを突破
さらに、エヌビディアは近年、単なるチップ供給にとどまらず、完成品のAI専用スーパーコンピュータを丸ごと提供するビジネスにも注力しています。
高速GPUに他社製CPUや各種部品、ソフトウェアを組み合わせ、一体型のAIシステムとして提供することで、顧客は導入直後からAIモデルの学習を開始できます。
この施策により、エヌビディアはチップ単体だけでなくシステム全体からも収益を得られる構造を構築しており、この垂直統合戦略も同社の大きな強みとなっています。
こうした事情から、市場では「AI=エヌビディア」と評されるほど、同社が半導体・AI関連株の相場を主導する構図が続いています。
実際、生成AIブームのもとで世界の株式市場を牽引したのは半導体セクターであり、その中心に位置していたのがエヌビディアでした。
2023年に同社株が時価総額1兆ドルを突破したことは、半導体企業が新たなる大企業群として、世界経済を左右する存在へと進化した象徴的な出来事でした。
AIというメガ潮流は、半導体業界全体を押し上げ、その中でもエヌビディアという一企業を史上稀に見る水準へと押し上げました。今後もAI需要が拡大する限り、同社の成長余地は大きいと考えられます。
ちなみに、ある調査によれば、エヌビディアの社員の76%が資産100万ドル以上(※)を保有しているそうです。多くは自社株だと思われますが、このような観点からも、エヌビディアは夢のある会社だといえそうです。
(※現在の為替レート=1ドル約158.32円で換算すると、約1億5832万円)
次のエヌビディアはどの企業?
もちろん、今後も競争は続きます。各国・各社が「次のエヌビディア」を目指して虎視眈々と技術開発を進めており、5年先・10年先に誰が王者になっているかはわかりません。
エヌビディア自身も現状に甘んじることなく、次世代チップの開発や自動運転・ロボット分野など新市場の開拓に投資を続けています。
とはいえ、本稿執筆時点の2026年6月においては、「なぜエヌビディアの株価が10年で約200倍になったのか?」という問いへの答えは明白です。
それは、「AIを動かす脳」を一手に担う企業になったからです。エヌビディアのGPUという脳がなければ、ChatGPTもClaudeも動かないのです。その成功は、ハードとソフトの両輪を磨き上げた執念と、AIと半導体というふたつのメガ潮流に適切なタイミングで乗った先見性の賜物といえるでしょう。
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