なぜシミュレーションと結果が違ったのか
私は、シミュレーションから将来の家計状況を推測し、それを基にアドバイスをしています。シミュレーションの結果から、「それほど心配ないでしょう」とお伝えすることもあれば、「現状ではかなり厳しい状況が予想されます」と改善をお願いすることもあります。いずれも、現在の状況を基に、将来の状況を推測していますので、現在の状況が間違っていると、アドバイスも適切ではなくなります。
「だいたいこんなものだと思って書いたんですけどね」
1年前に小林さんの状況を分析した際には、間違った情報を基に、間違ったアドバイスをしてしまったようです。
いきなりものすごい剣幕でののしられたので、私もつい小林さんに一部反論するような言い方になってしまいましたが、私にも落ち度はありました。
現在の家計の状況を伺うと、支出の漏れがある人は少なくありません。そのあたりは、お話を伺いながら本当の姿に調整していくのですが、1年前のご相談では十分な確認ができていませんでした。
「嘆いていても仕方ありません。少しでも支出を改善することを考えましょう」
目指すのは、1年前に記入した“間違った家計の状況”です。この状況であれば、小林さんの老後に心配はありません。
先ほど伺った内容から、「これは削れる」「これは難しい」という分別作業を一緒に行っていきました。
「う~ん。これはやめたくないなあ。でも、少しは我慢しないと将来困りますよね」
次回は笑顔で報告に来てくれるのか
小林さんは、ふたり暮らしで母親の介護も頑張っています。それだけに、バイクの趣味でストレスを発散していたようです。それをすべて否定することはできません。
しかし、状況を踏まえて、ある程度はおさえないといけません。家計の管理を母親から任されるようになり、少し気が大きくなっていた面があったようですが、今回は現実を見ることで、改めて支出を見直す必要性を実感したようです。
「今の生活ではダメだということがよくわかりました。まずは支出をきちんと記録して、正確な把握に努めてみます」
今回のご相談で、すべてが解決できたわけではありませんが、1年前に提出した家計状況に近づけるようにがんばってみると誓いました。
もちろん支出を抑えるということは我慢を強いられる面があり、簡単なことではありません。1年後に、今度は笑顔で報告に来てくれるのか。不安を抱きながらも、期待しつつ待っています。
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