箱根で早大に立ちはだかる大学とは

そんな早大の前に立ちはだかる大学はどこだろうか。

筆頭は、やはり箱根駅伝3連覇中の青山学院大だ。今回の出雲駅伝では初出場だった2010年に並ぶ過去ワーストタイの11位。早大から3分57秒も遅れる大敗だった。

原晋監督は「駅伝力がなかった。速さはあるけど、強さが表現できなかった」と振り返った。とはいえ、これで箱根駅伝4連覇の可能性が消えたわけではないことは、原監督もよくわかっている。

同大の場合、今回の出雲駅伝には、前回箱根駅伝4区3位の平松享祐(4年)、同10区2位の折田壮太(3年)という有力選手が出場していない。前回7区3位の佐藤愛斗(3年)も控えている。9月26日の絆記録挑戦会5000mでは、佐藤が13分39秒10をマーク。松田煌希(3年)、中村海斗(4年)、新見春陽(1年)、松田祐真(2年)、上野山拳士朗(2年)も13分43~49秒台の自己ベストを出している。

5000mで13分50秒を切るスピードを持つ選手は、早大が8人なのに対し、青学大は18人に上る。箱根駅伝に向けては、選手層の厚さを生かして、思い切ったトレーニングが可能だ。さらに、「大一番」にピークを合わせる調整力にも定評があり、出雲の結果だけで青学大を評価するのは早計だろう。

出雲駅伝2位の國學院大も箱根Vを虎視眈々と狙っており、十分にその地力もある。前田康弘監督は今回の敗戦を受けて、全日本大学駅伝では早大を意識した戦略に切り替える考えを示した。出雲では先手を取られたが、選手たちが力を発揮できたという手応えもあり、箱根駅伝では存在感を発揮する可能性はある。また、順天堂大、中央大、創価大も、展開次第では優勝争いに加わってくるだろう。

日本テレビの箱根駅伝宣伝ポスター写真
撮影=プレジデントオンライン編集部
日本テレビの箱根駅伝宣伝ポスター写真

箱根駅伝に向けた最大の勝負は「全日本の後」

早大は2010年度に駅伝3冠を達成している。その原動力となったのは、当時1年生だった、現プロランナーの大迫傑(昨年末に2時間4分55秒の日本新記録樹立)らの活躍だった。出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、箱根駅伝では大迫が1区で区間賞を獲得。最後は東洋大との激しい優勝争いを21秒差で制し、18年ぶりの総合優勝を飾った。あれから16年。早大は再び駅伝3冠への挑戦権を手にした。

ただ、花田監督は残り全日本と箱根に向けてどんな戦略を持っているのだろうか。

「全日本まではある程度この流れでいきますけど、全日本が終わってから走り込みの期間があるので、そこでどれぐらい選手たちが練習できるかというのが大事になってくると思います」

実は、この言葉に箱根駅伝を制するための重要なポイントが隠されている。スピードを武器とする1年生たちが、20km以上の距離にも対応できるのか。経験豊富な上級生が状態を上げ、10区間を戦える布陣を組めるのか。

そして、チーム全体が故障なく、12月まで順調に練習を積み重ねられるのか。

「圧倒的な個」を磨いてきた早大は、出雲駅伝でその成果を証明した。次に求められるのは、圧倒的な個の力を、10人で217.1kmを走り抜く「圧倒的なチーム力」へと昇華させることだ。

出雲駅伝で完勝した早大は本当に復活したのか。その真価が問われるのは、これからなのだ。

【図表1】次回箱根駅伝出場10校と10月17日午前に開かれる箱根駅伝予選会2026出場45校のリスト
筆者作成

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