ミスの多い現場で重ねた改良
もっとも、この深圳の物流センターでも、導入当初からロボットが歓迎されていたわけではない。先述のCCTVの記事によれば、実験室でのテストとは勝手が違い、現場では仕分けのミスが多く、大きな荷物を扱えなかった。そばには従業員が付き添わなければならず、現場からは運用コストが高すぎるという不満も出ていた。
開発チームが原因を探ると、ロボットに学習させるためのデータが不足していた。そこで専任のデータ収集担当者を増やし、さまざまな荷物をつかんだり、裏返したりする動作を記録した。
同時に、仕分け用の作業台を傾斜のある構造に改めた。ロボットが体の向きを変えたり、腰をかがめたりする動作を減らすためだ。学習を重ねるだけでなく、働く場所もロボットに合わせて変えた。こうした半年間の改良が、仕分け件数の大幅な増加につながった。
工場が求める作業速度に到達
電子機器の受託製造を手がける龍旗科技の江西省南昌の工場でも、改良が重ねられた。CCTVが紹介したのは、車輪で移動し、2本の腕で作業するロボット「G2」だ。工場には8台が導入されたが、初期調整では、タブレットをつかむ部品が電源ボタンに触れ、検査に失敗した。3号機が、ある1日に31回も作業に行き詰まったこともあったという。
開発チームは、タブレットをつかむ位置を調整できる部品に改め、訓練を繰り返した。人なら何げなくできる作業でも、ロボットには一つひとつ対応を覚えさせる必要があった。その後、開発元の智元機器人は、6月23~28日に同工場で行った公開配信で、6万4828回の作業に対し、成功率99.99%を記録したと発表した。
第一財経の現地取材によると、検査装置への出し入れなどにかかる時間は、タブレット1台分に換算して9~11秒。生産ラインが求める11.25秒以内を達成し、従来の検査担当8人は別の持ち場へ移ったという。
もちろん、すべてをロボットだけでこなしているわけではない。龍旗科技によれば、人が監督や例外処理を担っている。それでも、初期の失敗を修正し、生産ラインが求める速さで作業するところまで進んだ点は見逃せない。

