健康寿命より「人間関係寿命」が大切
その「井戸端会議」の大切さは、研究からも裏づけられている。
9月20日に放送されたNHK Eテレ『TVシンポジウム』の「フレイルドミノ 高齢期のリスクどう備える?」では、高齢期に心身が弱っていく「フレイル」の連鎖が取り上げられた。
運動不足、栄養障害、感染症など要因はさまざまだが、追跡研究によれば、最初に倒れるドミノは「人とのつながり」の喪失だという。人と会わなくなると、食事量が落ち、歩かなくなり、心身の衰えへと雪崩のように進んでいく。
70代以降の人の話を聞いてきた私も、健康寿命以上に「人間関係寿命」(人とのつながり)がポイントになると実感している。もちろん健康寿命の大切さは言うまでもない。しかしたとえ健康面で課題を抱えていても充実して過ごしている人は少なくない。
一方で意識して新しいつながりを確保していなければ、人間関係は自然に尽きてしまう。
ビジネスに関わる、組織で働く、趣味、地域活動やボランティア、学び直し、場は何でもいい。人とのつながりを保ち、心地よく過ごせる居場所を持ち続けることが、孤立した最期を遠ざけることにつながるはずである。
「私の死」を考える本当の意味
自分の死亡診断書を書くのは、一見すると縁起でもない試みに思える。だが実際に書いてみると、それは死の準備というより、「これからどう生きるか」を検討する作業だった。
100歳まで生きるなら、80歳を前にした生前葬までに何をしておくか。少しでも納得した最期を迎えるためには、誰とどんな時間を過ごすことが求められるのか。最期の場面は、それまでの自身の生き方が現れるような気がするのである。
私の死から目を背けるのではなく、一度しっかりと見つめてみる。そうすることで、残された時間の輝きがかえって見えてくるのではないだろうか。
皆さんも一度、自分の死亡診断書を書いてみてはいかがだろうか。
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