今年は「大人向けテニスレッスン」「トレイルランニング」「ハイキング」のいずれも、過去最多の検索数となっている。「ウォーキングクラブ」「ランニングクラブ」「ランニングの始め方」も今年、過去最高を記録した。
さらに「地元のランニングクラブを見つける方法」「ランニングクラブで友達を作る方法」といった質問も急増している。これは、人々が求めているのが運動だけではなく、人とのつながりでもあることを示している。
AIで調べる時間を減らし、体験する時間を増やす
私の仕事は、匿名化され集約された何兆件もの検索クエリの中から、人間の物語を見つけ出すことだ。それはまるで、世界の脳をのぞき込んでいるような感覚でもある。そしてデータが教えてくれるのは、人々がテクノロジーを拒絶しているわけではないということだ。ただ、その使い方を変えつつあるのである。
考えてみてほしい。数十年前であれば、コミュニティーを築いたり、地域の活動を探したりしようと思っても、基本的には地理的な制約を受けていた。
だが現在、インターネットは、非常に具体的なニーズに合わせたおすすめ情報を提供してくれる。そしてAIは、これをさらに一歩先へ進める。
自分が興味を持つテーマについて詳しく学ぶ手助けをしてくれるだけではない。近くの店で在庫がある道具を探したり、自分のスケジュールに合う地元の教室を見つけたりするところまで支援してくれる。
最終的には、オンラインで調べ物をする時間を減らし、現実の世界を体験する時間を増やすことにつながるのだ。
新しいスキルを学びたいとき、私たちはブログや動画、掲示板などで専門家のアドバイスを探す。人と直接つながりたいと思えば、近くで参加できるクラブを検索したり、自分で集まりを開く方法についてヒントを探したりする。
そして時には、人とつながりながら新しいことを学びたいと思う。「プログレッシブ・ディナーパーティーとは何か」「ディナーパーティーのテーブルセッティングの方法」「ディナーパーティーには何を着ていけばいいか」といった質問は、いずれも今年、検索が増えている。
「ログオフするためにログオンする」時代
オンライン検索は、現実の世界に取って代わるものと考えるべきではない。むしろ、自分自身の現実世界をよりよく形づくるための手段として捉えるべきだ。
つまり、確かに私たちは「ログオフする方法」を知るためにログオンしている。しかし同時に、新しいスキルや情報、アイデアを手に入れたうえで、スマートフォンをしまっているのでもある。
結局のところ、「touch grass(草に触れる)」したいと思ったときには、その草がいったいどこにあるのかをインターネットに教えてもらうのも、時には役に立つのだ。
サイモン・ロジャース
Googleのデータエディターで、Plume刊『What We Ask Google』の著者。
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