年金3割減に消費税30%。家計を襲う最悪のシナリオは、そこまで迫っている。それだけでない。ニートの子供、長生きな親……老後の生活設計を狂わせる「7つの大敵」の攻略法を検証する。

費用を抑えるなら「自宅を賃貸→施設」

自分の親の「長生きリスク」を考えた場合、最大の不安材料は介護だろう。親の蓄えで賄えなければ、負担は子供へと回ってくる。

介護の費用はどのくらいかかるのか。公的介護保険制度では、介護認定を受けた人(「要支援1、2」「要介護1~5」まで状態に応じて区分)に対し、自己負担分1割でサービスを提供している。自宅での日常生活の手助けや介護施設でのリハビリなどを受けられ、介護状態に応じて保険適用の限度額が定められている。最高は約36万円で、自己負担はその1割。上限額は地域によって異なる。

だが、一橋大学経済研究所准教授の小黒一正氏は、1割負担を維持するのは難しいと指摘する。

「介護保険も年金同様、現役の人が高齢者を支える『賦課方式』をとっています。高齢化が加速するため、負担割合が増える可能性はある」

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在宅介護vs施設介護、自宅売却で施設のほうが安くつく場合も!(※畠中雅子氏監修)

将来に備え、貯蓄する。もちろんこれが理想だが、まずは介護費用を抑える方法を知ることだ。

在宅介護より施設介護のほうが費用がかかるというのが一般的な認識だろう。FPの畠中雅子氏が解説する。

「実は、家計破綻しやすいのは、在宅介護。特に親が自宅にこだわるケースです。施設を姥捨て山のイメージで見ている親だと危ない」

最近は業者間の競争により、月額20万円以内に収まる良質な施設も増えているという。月額費用には食費のほか、管理費や水道代が含まれることが多い。電気代や携帯電話代のあわせて2万円程度を余分に見ておけば十分だろう。