年金3割減に消費税30%。家計を襲う最悪のシナリオは、そこまで迫っている。それだけでない。ニートの子供、長生きな親……老後の生活設計を狂わせる「7つの大敵」の攻略法を検証する。

教育費に太っ腹な家ほど危ない!

たとえ家計にゆとりがなくても、優先的に出しているのが教育費だろう。親が中学受験にあまり前向きになれなくても、「友達が行くから」と子供が塾に行きたがれば、認めないわけにはいかない。小学4年生くらいなら、月々の塾代もさほど高額ではないというが……。

「そこに罠があります。先行きを考えず、何となく塾通いを始めて痛い目にあう人が多いのです」

と警告するのはFPの畠中雅子氏だ。実は学年が進むごとに塾の授業料や模試、長期休暇の勉強合宿など費用が急上昇し、小学校6年生では、年間の費用が100万円近くに上るという。この時点であわてて塾をやめようとしても、塾側は「これまでの教育投資が無駄になります」と引きとめ、子供も「やる気」になっている。

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オール私立vsオール公立、その差2800万円!(※畠中雅子氏監修)

「私立の中高一貫校に通わせると年間100万円程度かかるため、学費が格安な公立の中高一貫校への進学を望む親も増えています。しかし、競争率が高く、結局、中堅の私立へ進むパターンも少なくありません」(畠中氏)

子供1人を中学から私立に通わせるなら、世帯年収は最低700万~800万円、子供2人なら1000万円はなければ難しい、と畠中氏はいう。また、これからはますます英語力が必須だからと、高校や大学時代に留学させるとなると、学費+生活費で年間300万円はかかる。数年間の留学なら、さらにコスト高だ。

それなら、奨学金を借りてでもいい教育を受けさせたいという親もいるだろう。が、ここにさらなる罠がある。奨学金を子供自身に返済させる計画だったのに、就職難で仕事に就けないケースが増えている。その結果、親が返済せざるをえない状況に追い込まれ、老後資金に影響が出ることもあると畠中氏は指摘する。