全社説明会、少人数セミナーを開催
東京支店での「青本アシスタント」の大ヒットを受け、2025年4月、清水建設はAIの全社展開を本格的に開始します。
ただし、切り替え時点での利用者は、それまでと変わらず1000人程度。すなわち、すでにAIを使っていた人がそのまま新たなAIサービスに移行した状態でのスタートでした。本当の勝負は、ここからどうやって使う人を増やしていくかにありました。
ここでDX経営推進室が徹底したのが、説明会とハンズオンセミナーの運用です。大きく3つの型を使い分け、自社に展開していきました。
第1に、全社向けの大規模ウェビナーです。AIで何ができるのか、新たに導入したAIサービスをどう使うのかをオンラインセミナー形式で解説するものです。2025年4月に開催した全社説明会には、延べ600人の社員が参加しました。
第2に、20人規模のハンズオンセミナーです。参加者が実際に手を動かしながら学ぶ形式で、隔週で継続的に開催し、応募を開始するとすぐに予約が埋まるほどの人気がありました。このハンズオンセミナーを考案した同室の宮島壱登氏は、その効果を次のように語ります。
「20人という単位は質問しやすく、一人ひとりに目が届く最適なサイズ。ウェビナーでは手が届かない、きめ細かいフォローが可能となりました」
全国の支店を巡り、直接やりとり
第3に、部門・支店ごとにカスタマイズした説明会です。設計部門には技術文書を扱うAIアシスタント、内勤部門にはメール添削など、それぞれの業務に直接刺さる事例を持ち込みます。
特筆すべきは、その物量です。月に4〜5回のペースでなんらかの説明会が開かれ、累計の開催回数は相当数にのぼります。支店向けのハンズオンセミナーも宮島氏が中心となって精力的に行い、北海道、東北、千葉、名古屋、関西、広島、四国、九州と、ほぼ全国の支店を巡回し、AIサービスの利便性を伝えました。さらには、これら集合型の説明会のほかに、個別の活用相談の機会も設けました。
当初はハンズオンセミナーではなく、セミナー動画を配信する案もありましたが、宮島氏は「直接届けたほうが、AIのよさが伝わる」とリアルでの開催にこだわり続けました。
「『使い方がわからなくて詰まってしまう』『この業務に特化したアシスタントを作りたい』といった社員からの声に、その場で直接応えたかったんです」
こういった親身な対応が奏功し、ハンズオンセミナーに何度も足を運ぶリピーター社員も支店ごとに生まれたそうです。

