「たんに何も読まなくなった人」の増大
ということは雑誌が凋落し、小中高生の6~7割が「雑誌は読まない」となったことで「雑誌もマンガも読まない」層が増大している可能性がある。この四半世紀の書籍読書の改善が、雑誌読書の悪化を補いきれていない部分がおそらくある。
1990年代以降の官民挙げての読書推進を四半世紀以上経てなお書籍を読まない、読めない人たちには「文字を中心とした紙の本」は遠い、または抵抗があるのだろう。
そして今見てきたように、マンガでさえ若年世代は「紙からデジタルに移行しているから問題ない」とは言えない状態にある。雑誌からアプリやウェブにスイッチした層ももちろんいるが、そうではなく、たんに何も読まなくなったひとたちが一定いると思われる。
いまこそ「マンガの読書推進」が必要
しかし、本を読むひとも読まないひとも、生きていくうえで何かを感じ、考えることには変わりない。そのときに物語や先人の知恵、ノウハウを参考にしたいと思うはずだ。自らの困りごとや不安を、同様の経験をした人からヒントを得たい、社会の問題などを知りたい、キャリアアップ、スキルアップのために学びたい――等々と思うはずだ。
そのときに広義の本・読書が選択肢として「ない」状態は、社会として望ましくない。読みたくない、知りたくもない人も尊重されるべきだが、必要とする情報や物語に触れたいのに、疎外/阻害されているのはよくない。
アメリカのHi-Loジャンルではグラフィックノベルが大量に用意されている。日本でも、楽しめ、学べ、描き手の体験・経験から参考にできる紙のマンガ、デジタルコミックへのアクセス向上が必要だ。
また、好きな作品がマンガのように更新頻度が高く提供されることは読書への動機付け、習慣づけにもなる。そしてクラッシェンらがあきらかにしたように、マンガ読書はそれ以外の読書への呼び水になる。
いまこそ「マンガの読書推進」が必要だ。
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