日本と韓国のマンガ読書の決定的な違い
韓国の「国民読書実態調査」では時折、漫画・ウェブトゥーンの読書調査も実施しているが、これを見ると日本の子どもよりも韓国の子どもの方がデジタルコミックの読書率が高い。
日本では電子コミックの読書率は小学生15%、中学生35%、高校生49%。
韓国ではウェブトゥーンの読書調査率は小45%、中69%、高70%。
インプレス『電子書籍ビジネス調査報告書2025』では紙の単行本マンガ、電子コミック・マンガアプリ、紙の書籍(マンガ除く)、電子書籍(マンガ除く)の読書の頻度について調査しているが、こちらを見てもマンガの読書率は10代(15歳以上)で男子は紙で5割、電子4割、女子は紙で5割、電子で6割。紙の文字ものの本の読書率とそれほど差がない。
10代女子の電子コミックの利用頻度は相対的に高い。それはマンガアプリのリテンション機能の強さ、読者を毎日・毎週利用させるための施策を考えれば、当然そうなってしかるべきだ。
ところが男子では電子コミックの利用頻度は紙の単行本マンガや紙の書籍とほとんど変わらない。つまり、マンガの事業者側が提供方法を工夫してしょっちゅう使いたくなるしかけを用意しているにもかかわらず、「マンガのほうが文字ものの本より積極的に読まれている」とは言えない。これは男子にとってはマンガの求心力が相当なくなっているとみなさざるをえない。
少額決済できない子どもを軽視してきた
2000年代までは「文字だけの本は読まないがマンガなら読む」という小中高生はめずらしくなかった。マンガ悪玉論が長年語られてきたのは、マンガに強い吸引力があったからだ。
しかしいまの子ども・若者にとって、マンガはそういうものではない。日本ではマンガ雑誌の衰退とともに子どものマンガ離れが進行し、デジタルへの移行は十分に進んでいない。
韓国では、デジタルコミックのほうがむしろ広く読まれている。
そして中高生は、もはや日本より韓国の方がコミックをよく読んでいる。
なぜこのような違いが生じるのか。
日本のデジタルコミック市場は課金額の高い大人向けの作品を中心に成長した。そのため、決済手段をもたない、または少額しか決済できない小中高生は軽んじられている。作品内容が小中高生のほうを向いていないのだ。
若年層向けのマンガの供給自体が少なく、アプリの利用推奨年齢はたいてい15歳以上または18歳以上に設定されている。マンガアプリの本格的な台頭は2013、4年からだが、小学生向けのウェブマンガ誌「週刊コロコロコミック」は2022年になってようやく始まった。これではかつてのように未成年がさかんにマンガに親しむはずもない。



