現時点での生食用輸入解禁には反対
これまで述べたようなことから、私は現時点でのアメリカ産生食用ジャガイモの輸入解禁には反対です。これは安さや調達先の多様化という利点を認めたうえでも、防疫上の安全網を外してはならないと考えるためです。
現在のポテトチップス用ジャガイモの輸入は、前述のように無発生地域での生産、洗浄や密閉輸送や指定施設での加熱加工という幾重もの条件によって成り立っています。一般流通用として生食用ジャガイモを広く流通させるのであれば、それと同等以上に実効性のある対策を、科学的根拠とともに示さなければなりません。
最近ではインターネット上で、普段食べているジャガイモを家庭菜園に植えて育てる事例が散見されます。じつは、これは土壌を汚染するリスクが非常に高い行為。スーパーなどで売られているジャガイモは、生育中にアブラムシなどが媒介して病原体を保持していることもあるからです。ですからジャガイモ栽培には「種いも検査」に合格した正規の種いもを使うことを強くおすすめします。そして、これをアメリカ産生食用ジャガイモで同様のことが行われたらと考えると、非常に問題でしょう。
日本政府や農水省は、こうしたことへの対策はもちろん、病害虫のリスク評価、管理すべき病害虫と具体的な対策を公表し、多くの国民や生産者が検証できる状態になるまで拙速な解禁は避けるべきだと私は考えます。


