79歳の美川憲一が意識した「死」
人は「いつ死ぬかわからない」とわかっていながら、大病を患ったり、よほど大きな事故や災害に遭ったりしないかぎり、「死」を意識することはないでしょう。健康的に、平穏無事に生きてきた人であれば、なおのこと「死」に対する意識は遠くにあるかもしれません。
芸能活動歴60年、一度も仕事を休んだことがないという歌手の美川憲一さんが、79歳で心臓の手術を受け、パーキンソン病を発症していることを公表しました。これまで病気知らずだったものの、「死」と隣りあわせであることを意識したそうです。
美川さんは治療とリハビリを続けながら、大変な思いをしている人たちを歌で勇気づけていくためにも、「これからも、しぶとく生きていく」と決意しているといいます。
美川さんのように死の意識を“生きるバネ”にできれば理想的ですが、人はやり残していることを抱えていると、無意識に死を恐れるものです。
死への恐怖心を持ったままでは、最期を迎える「心構え」なんてそう簡単にできませんし、そもそもいつ死んでしまうかわからないのだから、今を充実させることだけを考えましょう。
最期に心残りがないように生き抜く
私はかつて、がんの疑いがあると宣告され、死を覚悟したことがあります。その瞬間から、残された時間でやりたいことをやり切って、死ぬ瞬間まで自分らしくありたいと一層思うようになりました。
実際はがんではなかったのですが、人間はいずれ死ぬのだから、最期に心残りがないように生き抜きましょう。「終わりよければすべてよし」で、人生の幕を閉じたいと私は思うのです。
「貧乏でもいい、品格とか誇りとかを持って、私は死にたい」(佐野洋子/絵本作家)――あなたが死ぬまで持ち続けていたいものは何ですか? かけがえのないものさえあれば、死んでいくのはそう怖くなくなるかもしれません。


