本に埋もれて暮らしている
僕は、ホロスコープでは月が牡羊座に入っています。月が牡羊座にある人は、思い立ったらすぐ動きたい、おとなしく見えても意外とせっかちで熱しやすいといわれています。実際僕は、落ち着いてなにかをすることがまったくできず、部屋の片隅で本を読んでいるうちに、そこに出てきたことを他の本で調べるため、あちらでもこちらでも本が出しっぱなし。
ときどき古本屋さんに来ていただいて、車に載せられるだけの本を引き取ってもらい、その直後はちょっとすっきりしたかなと思うのですが(というより、床に積んである本のエリアが単に減っただけ)、すぐにまた増殖して、元通りに。散らかっている家にいるのがなんとなくイヤで外出すると、出かけた先でまた本を買ってしまう。だからいつも、バッグが重くなってしまいます。
たまにホテルのカフェで打ち合わせをする際に、レセプションで「チェックインはこちらです」などといわれてしまうことも。なにしろ重いボストンバッグを持っているので、宿泊客と間違われるのでしょう。
もっとも、占いを稼業にしている人が、みんな僕みたいに本に埋もれているわけではないと思います。もっとすっきりした、お洒落な部屋で暮らしている人はいくらでもいるでしょう。
まあ、そんなわけで、どうということもない日常を過ごしている次第です。
占い師だから、日々占いでいろいろ決めているとか、日々瞑想しているとか、部屋には水晶玉とかあやしげな儀式道具がいっぱい、と期待? されている方がおられたら落胆させてしまいそうですが。
2種類の「当たり方」
本書をここまでお読みいただいた方ならお気づきかと思いますが、僕は決して占いの「ビリーバー(信奉者)」ではありません。占いは必ずしも当たるわけではない――これは僕にとって、あまりに自明のことです。
他方で矛盾するようですが、もちろん占いは「当たる」のです。そしてその「当たり方」には2種類あるように思います。
ひとつは、バカバカしい当たり方。別の言い方をすれば、ベタな当たり方をするときがあります。
たとえば、ルノルマンカードという、日本ではまだあまり紹介されていないカードがあります。これは非常にシンプルな象徴から成っていて、花束とか、十字架とか、星とか、ハートとか、手紙とか、そういう具体的なイメージばかりで構成されている。その中に「ネズミ」と「蛇」というカードがあります。どちらもあまりよい意味ではなく、ネズミは損失や消耗、蛇は敵意とか隠れたトラブルの象徴です。
あるとき、何度やってもその「ネズミ」と「蛇」が続けて出ることがあって、正直、「イヤだな」と思っていました。また誰かにイヤなことを言われるのかなと、対人関係のトラブルを想像してしまったのです。
ところが実際に起きたのは、まったく別のことでした。洗面台の下のシンクに水漏れが起きて、立て続けに今度は洗濯機も水漏れを起こしたのです。そのときは、「ああ、こういうのって続くよな」と、いわゆる故障のサイクルみたいなものとして受け止めていたのですが、修理費もそれなりにかかるので、けっこう気が重くて……。

