占い師は自分のことを占うのか。占星術研究家の鏡リュウジさんは「今まで何度、『ご自身のことを占ったりされるんですか』と聞かれたかわからない」という――。

※本稿は、鏡リュウジ『占い師の正体 人はなぜ占いに惹かれるのか』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

マンション購入は「即決」

ところで……。

「鏡さんは、ご自身のことを占ったりされるんですか?」
「占いによって、なにか決めたりするんですか?」

今まで何度、そう聞かれたことか。

これまで述べてきたように、今、ちょっと行き詰まっているかな、などと思うと、今の星の位置をちょっと見てみたりはします。また、振り返って「そうか、あのときはこういう星だったから」と納得したりもします。でもなにか大きな決断をする際、占いに頼ることはまずありません。

マンションを買うと決めたときも即決でした。僕の“正体”を知った不動産業者から「契約や引っ越しの日取りはどうされますか? いい日付を選んだりされるんでしょうか?」と聞かれても、「あ、そういうの忘れてました。なるはやでお願いします」なんてお返事して。

僕の答えがちょっと意外だったようで、「そういうもんですかね」といわれたので、「きっと、えぇようになるようになってるから」と答えました。

晩ご飯をタロットカードで決めることはある

ただ、どうでもいいような小さなことは、遊び感覚で、タロットカードで決めたりします。たとえば……。

「今日の晩ご飯、魚にしようかな、肉にしようかな」とか、「今日はチェーン店の安い定食にしようかな、それともちょっぴり高いランチにしようかな」とか。ガクッとずっこけて、椅子から落ちそうになる読者の様子が見えるような気がしますが。

焼き魚
写真=iStock.com/Yusuke Ide
※写真はイメージです

「占い師って、どんな日常を送ってるんですか?」

これも、よく聞かれることです。「みなさんと同じような、ごく普通の日常を送っていますよ」とお答えするしかないのですが――。

ただ、僕の場合、他の人と違うのは本の量でしょうか。

住んでいるマンションの部屋は、とにかく本だらけ。仕事柄、本は欠かせないし、いまだに電子書籍は苦手なので、どんどん本が増殖してしまいます。なかには英国で入手した400年前の占星術書など、ちょっとしたお宝もあります。