境界線は大人が示す必要がある
このような調査の結果もふまえ、筆者自身は、以下の2つの理由から、学校でのスマホ使用は基本的に控えるべきだと考えています。
① 授業中の集中を妨げやすく、SNSを見ていた直後に頭を「勉強モード」に切り替えるのは簡単ではないこと。
② 「使っていい時間とそうでない時間」を子ども自身がコントロールするのは難しく、気づけば常にチェックしてしまう危険があること。
しかし実際には、中高生のスマホ保有率は、中学生は80%、高校生は95%を超えており(「こども家庭庁(旧内閣府)青少年のインターネット利用環境実態調査 2025年度」)、中学生の17.5%、高校生の90.2%が学校にスマホを持ち込み、実際に使用していることを示す調査もあります(MMD研究所、2019年調査)。
学校は勉強だけの場ではなく、友だちとの交流の場でもあります。その意味でスマホが果たす役割も理解できます。行ってみたいカフェ、他の友人の投稿、最新の動画、そういったもので盛り上がるのも青春の一幕といえるでしょう。
また、スマホの誘惑に弱いのは子どもだけではありません。大人だって会議中についスマホをのぞいてしまうことがあります。そう考えると、子どもが学校でSNSを開きたくなるのも「人間らしい行動」なのかもしれません。
しかし、スマホの使いすぎが子供たちに与える影響を考えれば、どこまで許容するのか、大人が明確に示す必要があるのではないかと思います。本稿でお伝えした問題以外にも、スマホやSNSを発端に、犯罪に巻き込まれる、いじめに発展するなどという事例も報道されています。
「スマホを制限する」以上に重要なこと
ただ、全国の自治体で愛知県豊明市のような条例がすぐにできるわけではありません。また、前述の通り、条例があったとしても強制力はなく、結局のところ、現段階では個々の家庭で対処するしかありません。
・食事中や寝る前にはスマホを手放す
などの家の中でのルールに加え、以下のような「学校でのルール」を子供と約束するのも一つの手かもしれません。
・登下校中も、お友だちと一緒のときは緊急時以外開かないこと
・お友だちといるときは、目の前の会話を大切にすること
重要なのは、「スマホ断ち」や「〇時間ルール」などでやみくもに制限することではなく、子どもが「スマホを持つ時間と、手放す時間」を自分で意識し決められるようになること。そのゴールにむけて、話し合いを重ねていくことではないでしょうか。
子どもたちには、スマホの外にどんなおもしろい世界が広がっているのか、学校という場でこそ、友だちや先生との交流の中で気づいていってほしいと願っています。


