ここでいう「学校にいる時間」には授業だけでなく休み時間や昼休みも含まれていますが、体育などの実技教科では物理的にスマホに触るのが難しいでしょうから、やはり決して短いとはいえません。「想像より長い」と感じたのは筆者だけではないと思います。

そしてよく使われていたのは、Instagramが平均25分、TikTokは19分、メッセージアプリも同じく19分、動画視聴が17分で、学習支援アプリや「調べ物」は上位には入っていませんでした。

教室の席でこっそりスマホを使用している女子生徒の手元
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

予測できたといえばそうかもしれませんが、やはりもう少し勉強に使っていてほしかったというのが正直な親心でしょう。

ちなみに、女子は男子に比べて30分弱、高学年(16~18歳)は低学年(13~15歳)に比べて平均で30分以上、使用時間が長かったこともわかっています。

もちろん、この研究にも限界もあります。

この研究の限界

① 観察期間が平均3日間程度と短いこと。もう少し長期間の観察をするとより詳細なデータが得られると考えられます。

② iPhoneでは一部のアプリが計測できません。つまり、実際の利用時間はもっと長い可能性があるということです。

親の目が届かない学校でスマホをどのくらいの時間、どんな目的で使っているのか……。

調査ですべてを明らかにすることはできませんが、こうした研究・調査は、私たちが子どものスマホとの付き合い方を改めて考えるきっかけになるでしょう。

スマホ時間と学力との不都合な関係

ここで気になるのは、こうした学校でのスマホ利用が、実際にどのように学力へ影響するのか、という点ではないでしょうか。

OECD が2024年に公表した報告書(Students, digital devices and success)では、OECD加盟国で15歳の子どもを対象におこなわれた調査が紹介されています。

ここでは学校でのスマホやタブレットの長時間利用は数学の成績の低さと関連することが示されています。

【図表】学校でのデジタル機器の利用時間と数学の成績
出典==OECD“Students, digital devices and success”(2024)) デジタル機器の使用時間と数学の点数との関連を示したもの。結果は使用目的で異なる(オレンジ=学習、青=娯楽)。

最も成績が高かったのは、必要な場面で短時間だけ(1時間以内)使う生徒です。利用時間が増えるほど得点が下がる“逆U字型”の傾向が明確でした。

とりわけ、SNSやネットサーフィン、ゲームなど娯楽目的で使用する生徒たちはその傾向が高く、5時間~7時間使用した生徒の得点は、最も高得点の生徒たちに比べて49点低くなるという結果になりました。

また、興味深いのは、本人が使っていなくても周囲の生徒の端末の操作によって集中が途切れ、そのことが成績と関連していたという点です。

授業中に他の生徒のスマホに気を取られる経験が多いほど、とくに数学では得点が低いことが報告されており、教室内にスマホが存在するだけで注意が削がれてしまう可能性が示唆されています。

つまり、問題は単に「スマホを使うか使わないか」ではなく、どのような目的で、どれくらい使い、どのような環境で学ぶかという点にあるのです。