90歳を超えて日帰り温泉に行けるか
僕の健康づくりは、命の長さにあまりこだわっていません。その人が自分の寿命を迎えるまで、自由に行きたいところへ行け、食べたいものを食べられる。そういう体づくりをすすめてきました。90歳を超えて日帰り温泉に行けるかどうか。
とても大事だと思っています。行けるか行けないかは、700円ぐらいの交通費があるかないかではありません。多くの人は筋肉がなくて行けなくなるのです。
1カ月に1回くらい、食堂に出かけて行って、好きなものを注文して食べること。そういう生活ができるために体の身辺整理が大事なのです。
僕はついに、2026年、主婦の友社が主催する「すごい!健康長寿力アワード2025/ひと部門」を受賞してしまいました。
生きている限り、日帰り温泉へ行ったりレストランに行ったりできる体をどうつくるかが、鎌田の身辺整理の中心になっています。
筋肉は“減る資産”だから、放置しない
現在78歳。腰が曲がらないように、猫背にならないように、毅然とする。
週2回ジムに行って、腰の周りの筋肉や腹筋、そして背筋を、めちゃくちゃに鍛えています。筋肉は放っておくと、1年に1%減っていくと言われています。
筋肉は人生の有形資産と考えましょう。
高齢になったら、きちんとした資産管理が大切です。背筋がしっかりしていることで、毅然とした姿が現れていることで、いまでも年に5、6本、テレビ出演の声がかかります。
いかに生きるべきかという『葉隠』の精神を学んでから、日々を大切にし、油断なく、悔いなく、新鮮に、真剣に生きることを意識しています。
うまいように死ぬためには、うまいように生きることが大事です。
毎年100カ所ぐらいから講演依頼がきて、70ぐらいを引き受けています。健康づくりの話を主にして、最後の20分ほどは、人間には必ず死が来るという話をしています。
そして、うまいように死ぬためには、うまいように生きること。
具体的には、いま元気なみなさんに気をつけていただきたいのは、脳卒中、認知症、フレイルにならない生活習慣。
うまいように生きるには、この3つの病気にならないこと。
しかし、もっと大事なのは、このどれかになっても、面白いことをするのに貪欲であり続けることです。どんな状況になっても、常に身辺整理を上手にしながら、そこから立ち直って、好きなことをやることが大事なのです。
生きている限り、足をひきずってでも、車椅子に乗ってでも、日帰り温泉に出かけたり、食堂へ行ってかつ丼を食べたり、ラーメンを食べたり、好きなものを食べることが、とても大事だという話をしています。

