銭湯を残すため「設備・建築・不動産・金融」へ

湯を沸かす釜や配管を修理できる設備業者。建物を修繕し、新築を設計できる建築。土地や建物を取得するための不動産。そして、大規模な修繕や新築へ資金を循環させる金融機能。

設備、建築、不動産、金融の4領域をまたいだ会社を運営し、銭湯を将来へ残そうとしている。そしてその第一歩として、湊さんは2025年6月に梅湯の土地と建物を取得。将来的には、新築も検討している。

「最も売り上げの大きい梅湯で、購入から新築まで実現できなければ、ほかの店舗でできるわけがありません。まずは梅湯を通して、購入から新築まで一貫してできる仕組みを構築したいと思っています」

10年以上前、湊さんの覚悟は、目の前の梅湯を続けるためのものだった。しかし、今は違う。その覚悟が向かう先は、一軒の銭湯にとどまらない。一時は折れてほしいと願った煙突を自ら建て替えた若者は、いま、銭湯業界を支える地盤をつくろうとしている。

そしてその先に残したい光景は、銭湯という文化さえ知らなかった湊さんが、10年以上前に心を動かされたあの日常だ。地域の人たちが毎日のように通い、銭湯を暮らしの一部として使い続ける。効率や採算だけでは測れない価値がそこにはあった。

訪れた銭湯が次々と閉店していくたび、若き日の湊さんの胸には「なんとかならないのかな」という問いが残った。かつて銭湯を知らなかったヨソ者は、いま、その問いへの答えを事業を通じて示そうとしている。

グッズの誕生秘話を教えてくれた湊さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
グッズの誕生秘話を教えてくれた湊さん
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